○さぬき市まちづくり基本条例

平成17年3月24日

条例第2号

前文

さぬき市は、瀬戸内の穏やかな風土にはぐくまれ、多島美を誇る瀬戸内海とそれを見下ろす讃岐山脈の裾野に緑豊かな田園地帯が広がり、四季折々の実りに恵まれた自然環境と古くから四国遍路を支えたお接待の心を受け継いだ、うるおいとやすらぎあふれるまちです。

かつて、5つの町だったさぬき市は、それぞれが培ってきた歴史や文化などの特色を生かしつつ、今まで以上に「住みやすい」、「ずっと住み続けたい」と思えるまちづくりを目指します。

そのために、私たち市民は、まちづくりの主役として、地域を超え、世代を超えて、互いに力を合わせ、未来へとつなげるまちづくりを進めていかなければなりません。

私たちは、自立する都市をめざして市民と行政の協働体制を築き、市民が主体となるまちづくりを進めるために、この条例を制定するものです。

(まちづくりの基本原則)

第1条 まちづくりは、市民参加、情報共有及び協働を基本として進めなければならない。

(市民の権利と責務)

第2条 市民は、まちづくりの主体として、まちづくりに関して意見を述べ、活動し、参加する権利を有する。

2 市民によるまちづくりの活動は、地域の社会生活を形成する基本的な権利として尊重され、市の不当な関与を受けない。

3 市民は、まちづくりに参加するため、市が保有する情報について、その提供を受け、又は自ら取得する権利を有する。

4 市民は、まちづくりの主体であることを認識するとともに公共的な視点に立ち、まちづくりにおける自らの発言と行動に責任を持たなければならない。

(地域コミュニティ)

第3条 地域コミュニティとは、市民が互いに助け合い、豊かな暮らしを築くことを目的として自主的に構成する地域社会の多様な集団及び組織をいう。

2 市民は、地域コミュニティの担い手であることを認識し、これを守り育てるよう努めるものとする。

3 市は、地域コミュニティを地域社会の重要な組織として位置付け、その自主性及び自立性を尊重しなければならない。

4 市は、公共性、公平性及び必要性を総合的に判断して、自主性及び自立性を妨げない範囲で地域コミュニティに対し支援をすることができる。

(市の役割と責務)

第4条 市は、主権者である市民のニーズに的確にこたえ、総合的な市政の運営に努めるものとする。

2 市は、市民参加を推進するための環境を整備し、市民参加の機会を確保するよう必要な施策を講じなければならない。

3 市は、市民及び地域コミュニティの主体的なまちづくり活動を支援し、協働してまちづくりを進めなければならない。

4 市は、共通する課題の解決を図るため、関係する他の地方公共団体等との連携及び協力に努めるものとする。

(議会の役割)

第5条 議会は、市民の負託にこたえ、自治の発展と福祉の向上を目指して活動するとともに、市民の意思が市政の運営に適切に反映されているか調査し、監視する役割を担うものとする。

(市長の責務)

第6条 市長は、この条例を遵守し、基本原則に従い、まちづくりを推進するものとする。

2 市長は、市の執行機関が基本原則に基づき、まちづくりを推進するように調整し、又は指揮監督しなければならない。

3 市長は、多様な市民のニーズに適切に対応したまちづくりを推進するため、職員の能力向上に努めなければならない。

(職員の責務)

第7条 職員は、基本原則に従い、公正かつ能率的に職務を遂行しなければならない。

2 職員は、基本原則に従い、積極的に地域の課題解決に当たるよう努めるとともに、職務の遂行に必要な知識、能力等の向上に努めなければならない。

(基本的な計画の策定)

第8条 市は、まちづくりに関する基本的な計画を策定しようとするときは、その概要を公表し、市民の意見を求めなければならない。

(財政運営と公表)

第9条 市は、行財政改革を進めるとともに、効率的かつ効果的な財政運営を行うことにより、財政の健全化の確保に努めるものとする。

2 市は、予算の執行状況その他の財政状況について、市民にわかりやすく公表しなければならない。

(行政手続)

第10条 市は、市政の公正と透明性を確保し、市民の権利利益を保護するため、市に対する届出等並びに市が行う処分及び指導に係る行政手続に関する必要な事項については、別に条例で定める。

(情報共有と説明責任)

第11条 市は、まちづくりに関する情報の共有を実現するため、別に条例で定めるところにより、市の保有する情報を積極的に公開するとともに、市民にわかりやすく提供するよう努めなければならない。

2 市は、施策の立案、決定及び実施に当たっては、その必要性及び妥当性を市民に説明する責任を果たさなければならない。

(個人情報の保護)

第12条 市は、個人の権利及び利益が侵害されることのないよう個人情報の収集、利用、提供、管理等について必要な措置を講じるとともに、個人情報の保護に努めなければならない。

(会議の公開等)

第13条 市は、議会、教育委員会、選挙管理委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会の会議を原則として公開するものとする。

2 市は、執行機関に置く附属機関及び附属機関に準ずる機関(以下「附属機関等」という。)の会議を原則として公開するものとする。

3 市は、前2項の場合において、法令に定めのあるもの、その会議が特定の団体又は個人の権利又は利益に関するもの等会議を公開することが適当でないと認められるときは、公開を制限することができるものとする。

(附属機関等の委員の公募及び構成)

第14条 市は、附属機関等の委員には、複数の公募の委員を置くよう努めなければならない。ただし、法令等の規定により公募に適さない場合その他正当な理由がある場合は、この限りではない。

2 附属機関等の委員については、男女の比率、他の附属機関等との重複を考慮し、幅広い人材を選任するよう努めなければならない。

(市民投票)

第15条 市長は、まちづくりに関する重要事項で、広く市民の意思を直接問う必要があると判断したときは、その都度市民投票の実施に関する条例案を議会に提出するものとする。

(条例の位置付け)

第16条 市民は、まちづくりを推進するに当たり、この条例の趣旨を尊重するよう努めるものとする。

2 市は、条例、規則その他の規程及びまちづくりに関する基本的計画の策定に当たっては、この条例の趣旨を最大限に尊重しなければならない。

(条例の検証等)

第17条 市は、この条例の施行後少なくとも4年ごとにこの条例の規定について検証し、必要な措置を講ずるものとする。

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

さぬき市まちづくり基本条例

平成17年3月24日 条例第2号

(平成17年4月1日施行)