○さぬき市男女共同参画推進条例

平成21年6月24日

条例第21号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 男女共同参画を阻害する行為の制限(第9条・第10条)

第3章 男女共同参画の推進に関する施策(第11条―第19条)

第4章 雑則(第20条)

附則

私たちはみな、性別に関わりなく、個人として尊重される平等な存在です。

国における「男女共同参画社会基本法」の制定という動きのなかで、さぬき市では「さぬき市男女共同参画プラン」を策定し、男女共同参画社会づくりに取り組んできました。

しかしながら、今なお、男女の役割を固定的にとらえる意識や社会慣行が根強く残っており、真の男女平等の実現を妨げることになっています。

私たちは、国内外の様々な場所で生まれ育った人たちがさぬき市民として暮らすなかで、お互いの多様な生き方を認め合い、男女が対等な立場で人権を尊重し、共に責任を担い、利益も分かち合う男女共同参画社会の実現を急がなければなりません。

ここに、私たちは、市民一人一人が互いを大切にし、「自分らしく、ともにいきいきと生きることができるまち」さぬき市をつくることを目指してこの条例を定めます。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、市、市民、市民が関わる各種団体、事業者及び教育関係者の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、男女共同参画社会を実現することを目的とします。

(定義)

第2条 この条例における用語の意義は、次のとおりとします。

(1) 男女共同参画社会 男女が、個人として尊重され、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が等しく政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受けることができ、かつ、共に責任を担う社会

(2) 市民 市内に住む人、市内で働く人、市内で学ぶ人及び滞在するすべての人

(3) 事業者 市内において営利、非営利を問わず事業活動を行う個人及び法人

(4) 教育関係者 市内においてあらゆる教育又は保育に携わる人

(5) 市民が関わる各種団体 市民が市内において主体的に地域活動を行う団体

(6) ドメスティック・バイオレンス 配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)又はかつて配偶者であった者に対する、身体的、性的、精神的又は経済的苦痛を与える暴力的行為及びその行為から生ずる子への暴力的行為

(7) セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により相手方の心身に不快感や苦痛を与え、相手の生活環境を害すること、又はその相手に不利益を与える行為

(8) 積極的格差是正措置 社会のあらゆる分野における活動において男女間に参画する機会の格差が生じている場合に、その格差を是正するため必要な範囲内で、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること。

(基本理念)

第3条 男女共同参画社会の形成は、次に掲げる事項を基本理念として、推進されなければなりません。

(1) 男女は、個人として尊重され、直接的、間接的を問わず性別による差別的取扱いを受けることなく、家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる場において、その個性及び能力を発揮する機会が確保されること。

(2) 男女は、性別による固定的な役割分担等に基づく社会の制度又は慣行により、その社会活動を制限されることなく、多様な生き方が自由に選択できるよう配慮されること。

(3) 男女は、社会の対等な構成員として、家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる場における施策や方針の立案及び決定に、共同して参画する機会が確保されること。

(4) 男女は、互いに尊重し合い、相互の協力と社会的支援のもと、家庭生活における活動及び職業生活その他の社会における活動に対等に参画し、両立できるように配慮されること。

(5) 家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる場において、個人の尊厳及び男女平等を基本とした教育が行われること。

(6) ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメント等の暴力は、犯罪及び人権侵害であるとの認識のもと、その根絶を目指すこと。

(7) 男女は、互いに尊重し合い、それぞれの性に関する理解を深め、また、妊娠、出産等について互いの意思が尊重され、産む性としての女性の身体的機能に配慮し、共に生涯にわたり健康な生活が営まれるようにすること。

(8) 男女共同参画社会の形成は、国際的な取組と密接に関わっていることから、その動向に配慮するよう努めること。

(市の責務)

第4条 市は、男女共同参画社会の形成を主要な施策として位置付け、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、国際社会や国内の情勢を踏まえ、男女共同参画社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、実施します。

2 市は、男女共同参画の推進に当たっては、市民の意見を尊重するとともに、市民、市民が関わる各種団体、事業者及び教育関係者のほか、国、県及び他の地方公共団体と連携し、協力します。

3 市は、男女共同参画社会の形成に関する施策を推進するため、必要な体制を整備するとともに、財政上の措置を講じるよう努めます。

4 市は、政策の立案及び決定過程に男女の区別なく参画できること、男女が共に働きやすい職場環境の整備等、率先して男女共同参画を推進します。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念に基づき、男女共同参画社会について理解を深め、家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる場において、自ら積極的に男女共同参画の推進に努めるものとします。

2 市民は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策、調査等に協力するよう努めるものとします。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動において、男女の対等な参画機会を確保し、雇用上の格差を解消するよう努めるとともに、男女が職場における活動と家庭、地域、学校等における活動とを両立できる職場環境づくりに努めるものとします。

2 事業者は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策、調査等に協力するよう努めるものとします。

(教育関係者の責務)

第7条 教育関係者は、教育及び保育の場において、男女共同参画の推進に配慮した教育及び保育を行うよう努めるものとします。

2 教育関係者は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策、調査等に協力するよう努めるものとします。

(市民が関わる各種団体の責務)

第8条 市民が関わる各種団体は、その団体活動において、男女の対等な参画機会を確保し、男女共同参画の推進に努めるものとします。

2 市民が関わる各種団体は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策、調査等に協力するよう努めるものとします。

第2章 男女共同参画を阻害する行為の制限

(性別による権利侵害の禁止)

第9条 すべての人は、家庭、地域、職場、学校その他のあらゆる場において、次の各号に掲げる行為を行ってはなりません。

(1) 性別による差別的取扱い

(2) ドメスティック・バイオレンス

(3) セクシュアル・ハラスメント

(公衆に表示する情報に関する配慮)

第10条 すべての人は、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、暴力的行為若しくは性的いやがらせを助長又は連想させる表現及び過度の性的な表現を行わないよう努めるものとします。

第3章 男女共同参画の推進に関する施策

(基本計画)

第11条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定します。

2 市は、基本計画を策定する場合は、市民、事業者及び教育関係者の意見を反映させるよう努めるとともに、さぬき市男女共同参画推進協議会に意見を求めます。

3 市は、基本計画を策定したときは、これを公表します。

4 前2項の規定は、基本計画を変更する場合について準用します。

(積極的格差是正措置)

第12条 市は、家庭、地域、学校、職場その他の社会のあらゆる場の活動において、男女間の参画機会に係る格差が生じている場合は、市民、事業者及び教育関係者と協力し、積極的格差是正措置を講じるよう努めます。

2 市は、市の施策の立案及び決定過程に男女が平等に参画できるよう、附属機関等における委員の構成について、基本計画に数値目標を掲げ、男女の均衡を図るよう努めます。

3 市は、男女平等を推進するため、女性職員の能力開発及び管理職等への登用に努めます。

(調査研究)

第13条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を効果的に実施するため、必要な調査研究を行い、その結果を公表します。

(家庭生活とその他の活動の両立支援)

第14条 市は、男女が共に家事、育児、介護その他の家庭生活における活動と地域、職場、学校その他の社会のあらゆる場における活動を両立することができるように必要な支援と環境整備に努めます。

(学習及び教育における支援等)

第15条 市は、男女共同参画について関心と理解を深めるため、市民の学習を支援するよう努めるとともに、家庭教育、学校教育、社会教育その他の教育において、必要な措置を講じるよう努めます。

(情報提供及び普及啓発)

第16条 市は、市民、事業者及び教育関係者の男女共同参画に関する理解を深めるための情報を積極的に提供するとともに、男女共同参画に関する意識の普及及び啓発に努めます。

(推進体制の整備)

第17条 市は、男女共同参画社会の形成の推進に関する施策について、円滑かつ総合的に推進するため、庁内組織の充実、強化に努めます。

2 市は、男女共同参画の推進に関する活動拠点の整備に努めます。

3 市は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、さぬき市男女共同参画推進協議会を置きます。

(苦情及び相談への対応)

第18条 市は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関し、市民及び事業者から苦情の申出があったときは、関係機関と協力し、適正かつ迅速に対応します。

2 市は、前項の申出への対応に当たり、必要と認めるときは、さぬき市男女共同参画推進協議会の意見を聴くことができます。

3 市は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画社会の形成を阻害する要因による人権侵害に関し、市民から相談の申出があったときは、関係機関と連携し、適切な対応を行います。

(実施状況の報告)

第19条 市は、男女共同参画社会の形成に関する施策の実施状況を明らかにするため、報告書を作成し、公表します。

第4章 雑則

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、男女共同参画の推進に関し必要な事項は、市長が別に定めます。

この条例は、公布の日から施行します。

さぬき市男女共同参画推進条例

平成21年6月24日 条例第21号

(平成21年6月24日施行)