○さぬき市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年9月14日

告示第152号

(趣旨)

第1条 この要綱は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号に規定する事業として、認知症の者やその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする認知症初期集中支援推進事業(以下「推進事業」という。)を実施することに関し必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 推進事業の実施主体は、さぬき市とする。

(支援対象者)

第3条 推進事業の支援対象者(以下「訪問支援対象者」という。)は、市内に住所を有し、原則として、在宅で生活している40歳以上の者であって、認知症が疑われる者又は認知症の者で次の各号のいずれかの基準に該当する者とする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者で次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが認知症の行動及び心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(支援チームの配置)

第4条 支援チームは、地域包括支援センターに配置する。

2 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、第1号に掲げる専門職(以下「専門職」という。)2名以上及び第2号に掲げる専門医(以下「専門医」という。)1名の計3名以上の者で編成する。

(1) 専門職 次の要件を全て満たす者

 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

 認知症ケア実務経験3年以上又は在宅ケア実務経験3年以上を有する者

 国が別途定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、必要な知識及び技能を習得した者

(2) 専門医 次のいずれかの要件を満たす者

 日本老年精神医学会又は日本認知症学会の定める専門医であって、認知症サポート医である者

 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、認知症サポート医である者

3 前項の規定にかかわらず、やむを得ない場合には、同項第1号ウに規定する研修を受講したチーム員が受講内容を支援チーム内で共有することを条件として、同号ア及びに該当する者で当該研修を受講していないものを同項に規定する専門職とすることができる。

(支援チーム及びチーム員の役割)

第5条 支援チームは、家族の訴え等により、専門医の指導の下、訪問支援対象者及びその家族(以下「訪問支援対象者等」という。)の初期の支援を包括的及び集中的に行い、自立生活のサポートを行う。

2 前条第2項第1号の要件を満たす専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期の集中的な支援を行うため、訪問支援対象者等への訪問活動等を行う。

3 前条第2項第2号の要件を満たす専門医は、他のチーム員を支援し、認知症に関する専門的見識から指導、助言等を行うとともに、必要に応じて他のチーム員とともに訪問支援対象者等を訪問し、相談に応じる。

4 訪問支援対象者等を訪問する場合のチーム員数は、初回の観察及び評価の場合は、原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上とする。

(訪問支援対象者の把握)

第6条 地域包括支援センターは、支援チームが地域包括支援センター経由で訪問支援対象者に関する情報を入手するよう配慮するものとする。

2 支援チームは、チーム員が直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においても、地域包括支援センターと情報共有を図るものとする。

(初回訪問時の支援)

第7条 支援チームは、家族の訴え等により訪問支援対象者を初めて訪問する際に、次に掲げる支援を訪問支援対象者等に行うものとする。

(1) 認知症の包括的観察及び評価

(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(3) 専門的医療機関への受診及び介護サービスの利用の効果に関する説明

(4) 訪問支援対象者等の心理的サポート、助言等

2 支援チームは、訪問支援対象者等を初めて訪問するに当たっては、訪問支援対象者等のほか、あらかじめ協力の得られる者が同席できるよう調整を行い、訪問支援対象者の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集するとともに、別に定める様式を用いて、認知症の包括的観察及び評価を行うものとする。

(初期集中支援の方針等の検討)

第8条 支援チームは、前条に規定する初回の訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察及び評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行うものとする。

2 支援チームは、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、市関係課職員等に対しチーム員会議への参加を依頼するものとする。

(初期集中支援の実施)

第9条 支援チームは、前条第1項の規定により検討した支援方針等を決定した後、次に掲げる初期の集中的な支援を訪問支援対象者等に行うものとする。

(1) 医療機関の受診が必要な訪問支援対象者への受診の動機付け

(2) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援

(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(4) 認知症の重症度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境等の改善

(7) その他必要な初期の集中的な支援

2 支援チームが支援する期間は、訪問支援対象者が医療サービス及び介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、おおむね最長で6か月間とする。

3 支援チームは、支援の終了について判断するため、専門医も含めたチーム員会議を行うものとする。

(初期集中支援終了後の支援)

第10条 支援チームは、前条第3項に規定する初期の集中的な支援を終了することを判断した場合、当該訪問支援対象者について、地域包括支援センター職員、当該訪問支援対象者を担当する介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法により、円滑に引継ぎを行うものとする。

2 支援チームは、前項に規定する引継ぎを行った訪問支援対象者について、引継ぎの2か月後に、チーム員会議においてサービスの利用状況等を評価し、支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

(記録の保管)

第11条 支援チームは、訪問支援対象者に関する情報、観察、評価結果及び初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保存しなくてはならない。

(個人情報の取扱い)

第12条 チーム員は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の規定等を踏まえ、訪問支援対象者及びその世帯の個人情報、プライバシーの尊重、保護等に万全を期すものとし、正当な理由なくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置等)

第13条 市長は、医療、保健及び福祉に携わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置するとともに、検討委員会が関係機関、団体等と一体的に当該事業を推進していくための合意が得られる場となるよう努めるものとする。

2 市長は、支援チーム及び医療関係者との連携を図るため、認知症疾患医療センター、地元医師会等との事前協議又はかかりつけ医に対する連絡票など、情報の共有化に向けたツールの作成及びそれらを用いた地域の連携システムの構築を図るものとする。

3 市長は、検討委員会において、支援チームの設置及び活動状況を検討するものとする。

(支援チームに関する普及啓発)

第14条 市長は、地域住民、関係機関、団体等に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動、協力依頼等を行うなど、地域の実情に応じた取組を行うものとする。

(情報の共有)

第15条 市長は、地域包括支援センター職員、市保健師、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師、認知症疾患医療センター職員、介護事業者等との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保するよう努めるものとする。

(その他)

第16条 この要綱に定めるもののほか、支援事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この要綱は、平成28年11月1日から施行する。

(令和5年告示第49号)

(施行期日)

1 この要綱は、令和5年4月1日から施行する。

さぬき市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年9月14日 告示第152号

(令和5年4月1日施行)