○さぬき市議会基本条例
平成28年6月27日
条例第25号
前文
地方自治の進展を図るためには、市民と地方公共団体との信頼関係、協働の精神が不可欠です。
市民の意思を把握し、行政に反映する市議会は、市民と身近に接した市民の代表機関であり、市の意思決定機関です。
二元代表制は、市議会と市長が市民の信託を受け、対等な関係のもとに相互の牽制と抑制を図りながら一定の均衡を保ち、市民の福祉の増進と市勢の発展に努める制度であり、この実現のために市議会が担う役割、果たすべき使命はますます重要となっています。
さぬき市議会(以下「議会」という。)は、先人が築いた歴史と伝統を重く受け継ぎ、これに安住することなく不断の改革に努め、市民の代表として創意工夫を重ね、公平性及び公正性の確保、積極的な情報公開並びに多様な市民参加の推進を図り、行動する議会として、市民とともに地域の自主性を高めることを決意します。
よって、ここに、住民自治を推し進め、団体自治を確立する地方自治の本旨に則り、全力をもって市民の負託に応えるため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会及びさぬき市議会議員(以下「議員」という。)の責務、活動原則その他の議会に関する基本事項を定めることにより、議会がその権能を高め、市民の負託に的確に応え、もって市民福祉の向上及び市勢の発展に寄与することを目的とする。
(議会の活動原則)
第2条 議会は、市民の代表機関として、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 公正性及び透明性を確保し、市民に開かれた議会を目指すこと。
(2) 市長その他の執行機関の長及びその補助職員(以下「市長等」という。)に対し、適切な行政運営が行われているか監視し、評価すること。
(3) 市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させるための運営に努めること。
(4) 市民にとって分かりやすい言葉を用いた説明に努めること。
(5) 市民の傍聴の意欲を高める議会運営を行うこと。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければばらない。
(1) 議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじること。
(2) 市政の課題全般について市民の意見を的確に把握するとともに、自らの資質を高める不断の研さんにより、市民代表として、ふさわしい活動をすること。
(3) 議会の構成員として、一部の団体及び地域の代表者でなく、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。
(議長)
第4条 議長は、議会を代表して中立公正な職務遂行に努めるとともに、議会の品位を保持し、民主的かつ効率的な議会運営を行わなければならない。
(議員の政治倫理)
第5条 議員は、市民の代表として、高い倫理性が求められていることを深く自覚し、行動しなければならない。
2 議員の政治倫理については、別に定める。
(会派)
第6条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を有する議員で構成し、活動する。
(市民参加)
第7条 議会は、市民が議会活動に参加する機会の確保に努めなければならない。
2 議会は、本会議を公開するものとする。
3 議会は、本会議以外の会議を公開するよう努めるものとする。
4 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)に規定する公聴会制度及び参考人制度を活用し、議会の審議に反映するよう努めるものとする。
(説明責任)
第8条 議会は、議決責任を深く認識するとともに、議会としての意思決定又は政策決定をしたときは、市民に対して説明する責務を有する。
2 議会は、議会運営に関し、市民に対して説明する責務を有する。
(議会報告会)
第9条 議会は、必要に応じて議会で行われた議案等の審議の経過及び結果について市民に報告し、前条に規定する市民への説明責任を果たすとともに、市民の意見を把握し、議会活動に反映させるよう努めるものとする。
(広報の充実)
第10条 議会は、議案に対する各議員の態度を広報媒体で公表するなど、議員の活動に対する市民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めるものとする。
2 議会は、市コミュニティ放送等を通じ、議会の活動を市民に周知するよう努めるものとする。
3 議会は、多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
(請願及び陳情)
第11条 議会は、請願及び陳情を市民からの政策提案と位置付け、真摯に取り扱わなければならない。この場合において、当該請願又は陳情の受理に当たり、請願者又は陳情者の希望があるときは、その意見を聴く機会を設けるものとする。
2 請願及び陳情の取扱いについては、別に定める。
(市長等との関係)
第12条 議会は、市長等と常に緊張ある関係を保持し、事務の執行の監視及び評価を行わなければならない。
2 本会議における議員と市長等との質疑応答は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一括質問方式又は一問一答方式で行うことができる。
(予算及び決算における政策説明)
第13条 議会は、市長に対して、予算及び決算の審議に当たって、分かりやすい施策別又は事業別の説明を求めることができる。
(危機管理)
第14条 議会は、大規模災害等が発生した場合においても議事機関としての機能を維持できるよう、日頃から危機管理体制の整備に努めなければならない。
2 前項のほか、議会は、大規模災害等から市民の生命、身体及び財産を保護し、並びに市民生活の平穏を確保する上での議会が果たすべき役割、とり得る方法等の調査研究に努め、危機管理体制の充実を図るものとする。
(議決事件の追加)
第15条 議会は議事機関としての機能強化のため、法第96条第2項の規定により積極的に議決事件の追加を検討するものとする。
(調査機関の設置)
第16条 議会は、議案等の審査及び市政の課題に関する調査に当たり、必要があると認めるときは、議決により、学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができる。
2 議会は、前項の調査機関に議員を構成員として加えることができる。
(議員研修)
第17条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上のため、議員研修の充実を図るものとする。
2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、他の地方公共団体の議会との議員研修等を積極的に開催するものとする。
(政務活動費)
第18条 議員は、調査及び研究に資するため交付される政務活動費の執行に当たっては、さぬき市議会政務活動費の交付に関する条例(平成15年さぬき市条例第22号)を遵守しなければならない。
2 議長は、市民から書面により、政務活動費に関する書類の閲覧請求があった場合は、速やかにこれを閲覧させるものとする。ただし、さぬき市情報公開条例(平成14年さぬき市条例第11号)第6条第1号に規定する個人に関する情報は除く。
(予算の確保)
第19条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議会が議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するために必要な予算の確保に努めるものとする。
(議会事務局)
第20条 議会は、議会の政策形成及び立案能力の向上のため、議会事務局の政策法務機能の充実強化に努めるものとする。
(議会図書室)
第21条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実と機能強化に努め、その有効活用を図るものとする。
(議員定数)
第22条 議員定数は、第2条に規定する議会の活動原則に沿った、議員としての機能を果たすのにふさわしいものとすることを基本とし、さぬき市議会議員定数条例(平成14年さぬき市条例第218号)で定めるところによる。
2 議員定数の改正に当たっては、市政の現状及び課題、将来予測等を十分に考慮し、決定するものとする。
(条例の見直し等)
第23条 議会は、この条例の施行後、市民の意見、社会情勢の変化等を勘案して、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2 議会は、この条例を改正しようとするときは、本会議において改正の理由及び背景を説明しなければならない。
附則
この条例は、平成28年7月1日から施行する。
附則(令和5年条例第10号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。
附則(令和5年条例第31号)
この条例は、公布の日から施行する。